INTERVIEW

ORANGE RANGE ×
気象予報士 日本気象株式会社
対談

対談

決して台風を軽視しているわけではないし。
警鐘として捉えてもらえたらなっていうのはあるんですけどね。
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撮影:LEI FILMFORKS

こちらは台風が来たら飛んでしまうので。本州では瓦が組んであるだけでして、私の家もすごい台風が来た時に、全部家のまわりにバラバラって瓦が落ちて、落ちた瓦でちょっとケガしたというのはありました。

HIROKI:

5年くらい前かな、でかい台風が来ましたよね、大阪に。

2018年の台風21号ですね。ビニールハウスのビニールが電線に引っかかったりとか、コンビニの看板が柱以外なくなってしまったとか。大阪の関西国際空港の付近は特に。

HIROKI:

船が橋にぶつかったりしていたのをニュースで見ました。ちょうどこのタイミングで、泉大津でフェスの予定があって。HEY-SMITHっていうバンドの主催のフェスがあったんですが、それが中止になってしまって。コンテナとかがすごかったですよね。普段から耐性が無い分だけ、その被害も大きかったと思うし。

大阪に来た台風21号がもし沖縄に行っていたら、沖縄ではあれほど大きな被害はなく過ぎていたんでしょうか。

HIROKI:

もしかしたら物理的な被害は同じかもしれないけど、人間のメンタル的なものというか、壊れるとか飛んでいっちゃうっていう前提で、沖縄県民はどこかで「やっぱ台風ってこんなもんだね。」っていう気持ちで構えているから、みんな普通に台風が去った後は片付けたり修理してたり。そのメンタル的な差はあるかもしれないですね。

本州には猛烈な台風が今までそんなに来なかったんですけど、2022年の9月に台風14号の影響で、鹿児島県に台風の特別警報が発表されて、本州で初めて出ました。いよいよ本州の方も気をつけていかないといけないなと感じます。

HIROKI:

気象予報士的な目線で伺いたいのですが、台風がフィリピンの方で発生して、沖縄本島を通過して、本州は九州をかすって朝鮮半島に抜けていく、みたいなルートが多かった印象があるんですが、最近は沖縄本島のラインぐらいから発生したりしていて、沖縄を飛び越して、本州をえぐっていくみたいなルートにもなっている気がするんですけど。

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一説にはなるんですけど、ラニーニャ現象っていう、海外のペルー沖の海水温が低い状態が続くと、台風が日本の近くで発生しやすい傾向があると言われています。2022年もラニーニャ現象の影響で、日本近海でも台風が発生したと思うんですが、太平洋の海面水温が27度という高い水温だったら台風が発生しやすいとか、それ以上になるとより発達しながら成長するので、最近言われている「海面水温が高くなってきてる」といったこととか、地球温暖化ですね。そういった理由で、今後台風がより強くなることが心配されていますね。

HIROKI:

昔に比べたら、沖縄の上の方で発生していますよね。

コースも、北日本の方にいきなり上陸っていうのはなかったんですけど。

HIROKI:

北海道とかね。あの辺で台風が消えていくじゃないですか。東北まで行ったらスピードもやっぱり上がっていくし。

いきなり東北に上陸、ということがあったり、だいぶ様相は変化しているようです。

HIROKI:

2022年に変な台風がありましたよね?沖縄の本島の横で下がってきて。停滞して、迷走して。

NAOTO:

(モニターの日本地図を指しながら)逆走して。海面の水温っていうか。

あとは偏西風が上空にありまして、それが日本の南の方まで降りてきてくれたら、台風がそれに乗って移動するんですけど、その偏西風が北の方にあると、なかなか台風の進路が定まらないところがあるので、季節的な特徴もあるんですけど、結構迷走する台風もありますね。

HIROKI:

大変ですよね、その予報、予想というか。

そうですね。 よく気象庁の台風情報の予報円が大きいからどこに行くのかわからない、と言われるんですけど、台風の中心が円の中に入る確率が70%っていう形で示しています。海外の気象モデルのサイトなどもありますが、一般的にはそのような海外など様々な情報も考慮に入れて作られた、気象庁の台風情報を見ていただいた方が統計的には精度はいいですね。

HIROKI:

あーそういうことなんですね。こっちはもうね、当たってあたり前みたいな(全員笑)。昔はね、もっと大変だったのに、今は当たってあたり前、外れてこの野郎みたいなね、一般人はなっちゃうじゃないですか。辛いなって思いますよね。

そういう性質もあるんだっていうのを知っていただいて、予報を参考にしていただけたらと思います。

HIROKI:

沖縄とか特に、スコールみたいな天気の変化がすごいから。1時間1時間で変わるというか。

沖縄地方の独特な感じですね。

HIROKI:

海に囲まれているので、本当に止むのも早いんですよね。

NAOTO:

いきなり来るから、読めないんです。

確かに、ライブカメラとかで見ていると、雨雲が急に来て、急に去って行っていて。雨雲レーダーでもポツポツと虫食いのように表示されますね。

NAOTO:

雨雲レーダーとかよくチェックします。

そうなんですか。

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NAOTO:

見ていたら、「あ、もう30分後に来る。」とか分かります。

台風では雨雲に偏りがあることもあるので、レーダーを見て備えてもらうのは良いですね。

HIROKI:

本当に沖縄の人の台風の知識は高いかもしれないですね。ずっとちっちゃい頃に、へクトパスカルとかさ、絶対わからない単語じゃないですか(笑)。沖縄の人は結構その数字を見て、「今回弱いね」「強いね」とか会話が普通にあるので。あとはこの台風の周り方でこっち側が強いとかあるじゃないですか。

もう常識としてですね。

HIROKI:

何日後にはもう弱くなるなとか、ある程度普通の常識として備わっていると思います。台風の目に入った瞬間、2時間後にまた台風に入るから、「じゃあそこでスーパーに行けばいいんだな。」みたいな。

すごいですね。2時間くらい台風の目の中に入るって。

NAOTO:

急に風が止まるから。「あ、入った。」って。でかくて遅いやつは、結構目も大きいし、停滞もするので。

HIROKI:

それがわからない人はもう終わったと思ってね、片付けし始めたりとかすると思うけど。

確かに。晴れたと思って屋根に上がって修理していて、台風の目が過ぎて大変なことに・・・ということもありますね。

NAOTO:

そういった注意も必要になると思います。

本州の方だと偏西風に台風が乗っているので速いですけど、沖縄だと乗る前なので「ゆっくり」な速度に感じますか?

NAOTO:

ほんとうにゆっくり。

HIROKI:

長いんですよね。2~3日潰れるんですよ。本当に。

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